「時間意識」が人を不幸にする

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こんにちはカナイです。

 

今回のテーマは、「時間意識人を不幸にする」です。

 

多くの研究によって

人は時間を意識すればするほど幸福度が落ちる

ことがわかっています。

 

何時までにどこどこにいかなきゃいけない

何時までに○○を終わらせなきゃいけない

そういった時間意識がなぜ人を不幸にするのか、

そのメカニズムについて解説していきます。

 

ではいきましょう

 

古代の時間意識

 

 

時間感覚の研究で有名なロバート・レヴィン氏は

世界中で時間意識に関する調査を行った結果、土地ごとに

時間の認識が異なり

大まかにいうと「クロックスタイム」と「イベントタイム」という

2つの考え方に分類できることを発見しましt。

 

日本のように、例えば電車が7時に出発する、12時にご飯を食べる、19時まで働くみたいな

そういった時計の表示に従って行動する考え方を

クロックスタイムと言います。

 

 

一方で東南アジアや南米のように、何時にご飯を食べる、何時に寝るではなくて、

おなかがすいたらご飯を食べるとか眠くなったら寝るみたいな

起きたイベントに対して行動を起こす考え方を

イベントタイムといいます。

 

 

パリ経営大学院の研究では

およそ6000人の男女を対象に、クロックスタイムかイベントタイムで

日常の業務を行ってもらいました。

その結果、時計に従ってスケジュールを決めた人ほど現状の自分に満足できず

ポジティブな感情を味わう量が少なく

創造的なタスクが苦手な傾向が見られました。

 

時計に頼ってスケジュールを決めると、

自分の行動を自分の意志で決められず、

まるで時計から行動を命令されているように感じてしまいます。

 

一方でイベントタイムの場合、作業の始まりと終わりを常に自分で決められるので

自分の人生を自分でコントロールできているという感覚が生まれます。

このメンタリティが人生の満足度やポジティブな感情に直結するようです。

 

なぜイベントタイムで作業をした人の方がクロックスタイムで作業した人よりも

現状の自分に満足してポジティブになれるんでしょうか

 

 

真実① 人間の脳は時間に合わせて行動するようにはできていない

 

そもそも人間の脳は時間に合わせて行動するようにはできていません。

 

実は、18世紀までの人類は時間の流れに合わせて行動していませんでした。

ナミビアカラハリ砂漠にはサン人という狩猟採集民族が住んでいます。

 

かれらの時間意識は私たちとは全く異なります。

 

先進国に住む私たちの時間意識っていうのは、過去から未来に向けて

一直線に進むのに対し、

サン人にとって世界の変化は一定の周期で繰り返すものとして

体感されるようです。

 

例えばあなたの友人に子供が生まれた場合、

私たちは友人が子供を授かったと認識しますが、

 

サン人の時間間隔では同じ過去が何度も繰り返されるのが普通

なので、「友人に子供が現れる現象がまた起きた」、という表現をします。

 

ちょっとわかりづらいと思うんですけど、とにかく、狩猟採集時代の人々

は時間の流れを過去から未来の一直線ではなく

周期的なものとしてとらえていたようです

 

 

そのほかには、バリ島の先住民であるバリアガは、ウク歴と呼ばれる

独自のカレンダーを使い、10種類のサイクルが絡み合った、複雑なパターンで

月日の流れを表現します。

ヒンドゥー教の文化圏では創造神の覚醒と睡眠のサイクルに従って、

時間が円環状に繰り返すと考えられています。

 

このように時間の流れを周期的に考える文化は数多く存在しています。

 

人類史の95%は、時間に合わせて行動ではなく、循環する時間の中で

起きたイベントに対して行動を決めていくという考え方が

普通だったんです。

 

 

時間に合わせて行動するという現在の考え方は、産業革命がきっかけで生まれました。

産業革命によって時間管理という概念が生まれ、

時間の無駄が、金銭の浪費に等しい愚かな行為と考えられ、

生産性や効率化がより重視されました。

 

人類史において、時間に合わせて行動するなんて考え方は

つい最近生まれたものなんです。

 

 

加えて、人間の脳は1万年2000前からほとんど進化していません。

いまだに私たちの脳は狩猟最終時代に適した設計になっています。

 

日本では、よく遅刻をする人は、社会人失格みたいに言われたりとか

時間通りに行動できること当たり前であるかのように言われますが、

人間の脳は時間に合わせて行動するようにはできていません。

 

僕は別に遅刻をしていいって言ってるわけではないです。

当然遅刻は悪いものです。

 

ただ、教育を通じて、遅刻は悪いことだからしてはいけないよって教えたとしても

人間の脳は遅刻をするようにできているし、

時間通りに行動できて当たり前、という社会には適応していません。

 

なぜなら狩猟最終時代には、時間に合わせて行動するなんていう

考え方はなかったからです。

 

 

イベントタイムで生きる人はなぜ現状に対する満足度が高いのか

 

 

こうしたことを踏まえると、なぜイベントタイムで生きる人々は

クロックスタイムで生きる人よりも、現状に対する満足度が

高く、ポジティブな感情を得られるのかがわかります。

 

彼らは人間の脳に合わせた、人間本来の生き方をしてるわけです。

 

周期的な時間の中で起きたイベントに対して行動しているので、

時間の不足に悩むこともなければ、将来の不安に悩むこともありません。

 

でこういうことを言うと、

でもそんな原始的なことをいってもしょうがないじゃんとか

みんなが時間守らないと組織として機能しないジャンみたいな

そういう反論が返ってくるんですけど確かにその通りです。

 

とうぜん、イベントタイムの社会にもそれなりに問題はあります。

皆、時間を意識しないので、普通に遅刻したりとか

社会の秩序が崩れていたりとかします。

 

まぁただ社会が機能するかっていうのは別として、

幸福に働くっていう観点からすれば、

時間は意識しないほうが良いです。

 

 

東南アジアとか南米の価値観で「仕事は適当にやる」

っていうものがあるんですけど、僕この価値観すごい好きなんですね。

 

日本社会は

まぁなんかきちっと仕事をするのが当たり前みたいな感じだと思うんですけど、

 

東南アジアや南米の人たちって

仕事もそんなにきちっとした感じじゃなくて、

すごい適当なんですね。

 

例えば、東南アジアの人たちって、接客中とかも普通にスマホいじってたりするんですね。

でも日本だと接客中にスマホいじるなんてありえないですよね。

 

でなんで彼らって仕事を適当にやるかっていうと、

前提として、彼らは、働くために生きているわけではなく、自分が幸福になるために生きている

っていう考え方なんですね。

これは割とイタリアとかフランスでも一般的なんですけど、

 

人は働くために生きているわけではなく、幸福になるために生きているので

自分が幸福になることを優先する。それで周りが何と言おうと知らんていう価値観なんですね。

 

こういった幸福を優先する価値観が、イベントタイムという

時間意識に繋がっているのではないかなと思います。

 

 

幸福に生きるための時間意識

 

イベントタイムの方がより幸福になれるとは言え、

時間に合わせて行動するのが当たり前である日本社会の中で

イベントタイムを貫くのはなかなか難しいと思います。

 

幸福に生きるための時間意識として

おすすめの方法が、一週間の中で時間を意識しない日を入れる

っていう方法です。

 

たとえば僕の場合は、平日はクロックスタイムで過ごし、

休日はイベントタイムで過ごすようにしていて、

 

休日に時間の約束はしないっていう風に決めています。

なぜならそもそも守れないからですね。

 

僕はあんまり時間の約束が好きではなくて

時間の約束っていうのは、ある意味で制約みたいなものだと思います。

 

例えば、10時にどこどこに来てくださいという約束をされた場合、

10時までにそこに行かなければいけないというのが確定しますよね。

それで守れなかったら罪悪感感じるし、相手に迷惑をかけてしまう。

 

なので基本的に時間の約束はしない、するとしても

クロックスタイムの平日にして、イベントタイムの休日にはしないように

しています。

 

みなさんも一週間のなかで時間を意識しないイベントタイムの日を

入れてみてはいかがでしょうか。

 

では今回は以上になります。