人生が退屈なのは、周りを優先しすぎているから -利他的な脳-

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こんにちは、カナイです。

 

今回のテーマは「人生が退屈なのは周りを優先しすぎているから」です。

ではいきましょう

 

 

・日本人の多くがもつ、利他的な脳 

 

世の中には2種類の人間がいます。

 

「利己的な人」と「利他的な人」

です。

 

 

利己的な人と利他的な人の違いを顕著に表しているのが、

京都大学高橋准教授が行った「最後通牒ゲーム」という実験です。

 

この実験では、2人のうち一方がお金の配分権、

もう一方が拒否権を持ちます。

 

配分権を持った側は自由な割合でお金を

分配でき、自分の取り分を多くしてもよい ( 8=分配者 : 2=拒否権側など)

ですが、もう一方に拒否権を発動されてしまうと

お互いに取り分はゼロとなります。

 

どんな配分であっても拒否権は

発動しないほうが、お互いが得をします。

 

にもかかわらず、大抵の場合、拒否権が発動されます。

 

人間は不公平な仕打ちに対して

自分が損をしてでも復讐したい、という心理が働くからです。

 

このとき、拒否権を発動する人と発動しない人では

脳に大きな違いがあり、

 

拒否権を発動する人ほど、

セロトニンというホルモンの濃度が低いことが分かったんです。

 

実験前は、利己的な人ほど拒否権の発動率が高いと思われていましたが、

むしろ利他的で協調性の高い人ほど、拒否権の発動率が高かったのです。

 

セロトニンは精神の安定やストレス耐性に重要な働きをする

ホルモンで、日本人は遺伝的にセロトニンが少ない人が多いです。

 

セロトニンが少ない人は、

自分だけが損をしている、という不公正に耐えることが苦手です。

 

不公正を憎み、ルールを守らない人や利己的な人を攻撃し、

社会的制裁を加えようとするのです。

 

日本には「出る杭は打たれる」ということわざがありますが、

 

それは多くの日本人が「利他的な脳」をもっており、

集団内は平等であるべき、みんな同じであるべという考え方をするので、

才能のある人間の足を引っ張り、下へおろそうとするからです。

 

 

・正義は最大の娯楽

 

 

ではなぜ、私たちは利他的な脳を発達させてきたのか?

 

それは、正義を伴う行為が人間の脳にとって最大の娯楽だからです。

 

進化の大半を占める旧石器時代において、

人類は150人程度の共同体で生活していました。

 

1人では生きていくことができず、子孫を残すこともできないので、

共同体から排除されることは死を意味しました。

 

だから何がなんでも共同体の中で生きていかなくてはならず、

人類は「他者を気遣いながらも、自分をアピールして

子孫を残す」というゲームをしてきたのです。

 

集団生活において、問題となったのが「フリーライダー」と「自分よりも上にいる人(モテる人、優秀な人など)

です。

 

集団でルールを定めても、正直者がバカを見るとみんなが思えば

誰もルールを守らなくなり、集団生活は崩壊します。

 

集団で食事を用意しても、インチキしてバレないように

他人の食事を盗む人が出れば、集団生活は成り立ちません。

 

自分よりもモテる人が集団内にいると

性愛の相手を獲得しづらくなりますし、

優秀な人の方が周りから必要とされ、上の地位に行けます。

 

このような「フリーライダー」や「自分よりも上にいる人」

にどのように対処するかが、人類が直面した課題でした。

 

特に日本人は、農耕社会の中で発展してきた農耕民族であり、

限られた土地の中で大勢の人と協力しないと生活ができなかったので、

より一層社会の秩序を守る必要がありました。

 

こうした状況下で、

 

進化は私たちに、正義の行為(ルールを守らない人間に制裁を与える、自分より上にいる人間を下におろす)

をとらせることで、脳に快楽が生まれるように、私たちを設計したのです。

 

実際に私たちの脳は、ルールを守らない人間を処罰するとき脳の報酬系が活性化される

ことがわかっています。

 

正義を伴う行動に快楽が生じるようにすれば、人は積極的に

利己的な人やルールを守らない人に制裁を与えようとします。

 

例えば

人のミスを指摘することに必死になる人

・生徒を侮辱する教師、部下を侮辱する上司

・芸能人の不倫を一斉に叩く人々

 

などがいますが、そのような人達も

正義の行為に伴う快楽を味わうために、他者に嫌がらせをするのです。

 

 

・「自分より周りを優先すべき」が人生を退屈にする

 

 

「自分より周りを優先すべき」という考え方には2つの危険性があります。

 

1: 会社に都合よく使われてしまう

 

日本の社会人は、有休を病欠のために使う人が多いそうです。

なんで有休をとらないかというと

自分だけ有休をとると、他の人に迷惑がかかるからです。

 

日本人は「自分よりも周りを優先する」利他的な人が多いので、

自分が休日を楽しむことよりも、まわりに迷惑が掛からないことを

優先するのです。

 

ブラックな職場に勤めていながら、なかなか会社を辞められないのも、

もし辞めれば、周りの人から嫌われるのではないかという

心配をしているからです。

過労死が起こってしまうのも、自分よりも周りを優先しすぎているからです。

 

このように、いつも自分より周りを優先していると

会社に都合よく使われてしまいます。

 

時には自分を優先して、自分はこんな働き方がしたい!これはできない!と

いった意見を表明した方が、働きやすくなると思います。

 

 

2:やりたいことがわからなくなる

 

皆さんに質問します

 

「もし明日から働かなくてよいとしたら、あなたは何をしますか?」

 

よく日本人で、「人生でやりたいことがない / わからない」

という人がいます。

 

なぜそうなってしまうかというと、自分よりも周りを優先しすぎているからです。

 

会社や学校では、自分勝手なふるまいをすると幼稚な人間だと

思われるので、思考停止で周りに同調し、みんなと同じふるまいをすることを求められます。

 

自分より周りを優先してばかりいると、

自分の本音や気持ちを押し殺して生きること

になり、自分のやりたいことが分からなくなっていきます。

 

やりたいことを見失うと、人生が退屈になり、その退屈を労働で埋めようとします。

だから「もし明日から働かなくてよいとしたら、あなたは何をしますか?」

という質問に答えられないのではあれば、

それは、自分よりも周りを優先しすぎている証拠なのです。

 

 

いかがだったでしょうか。

 

利他的であることはもちろん素晴らしいことですが、

利他的であるがゆえに、利己的な人を攻撃していまうのは

良くないのではないでしょうか。

 

過剰な利他的行動は自分自身を滅ぼしてしまいます。

だからこそ、もっと自分を優先する。

そうすることで人生は豊かになると思います。

 

では今回は以上になります。